ループという。
そして鉄心を交流電源によったコイルで磁化すれば、1循環毎にループ間の面積に比例した電力量が、鉄の中で熱となって失われる。この電力損失をヒステリシス損という。
このために交流の電気機器の鉄心内には当然のようにヒステリシス損を生じている。
次にHがOとなってもObだけ磁束密度Brが残っているのでこれに相当する磁気を残留磁気という。
また、磁束密度を零にするためにはOCだけ-Hを加えねばならないから、このOCすなわちHcを保磁力という。
2・7 自己誘導・自己インダクタンス
2・7・1自己誘導
1830年アメリカのヘンリーは自己誘導の原理を見出した。それは図2・19のようにコイルに電流の変化(例えば交流)を与えれば磁束Φも変化し、その結果電磁誘導によってコイルに起電力が生ずる。この現象を自己誘導という。
図2・19
2・7・2自己インダクタンス
今、N回巻のコイルに流れる電流がΔt〔s〕間にΔI〔A〕だけ変化したとき、このコイルと交わる磁束がΔΦだけ変化するとすれば2・4・2項で述べた電磁誘導によって、コイルに誘導される起電力eは次の式で表される。
ところが、磁束は電流に比例するから、磁束の変化は電流の変化に比例することになる。それ故に上式は次のように書ける。
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